nowadays dub Vol.8

「dub」とは「吹き替えのせりふを入れる」という意味があるそうです。
takumi apartment管理人がここで起こっていることにセリフをつけるように勝手に感想を綴るコラム
「nowadays dub」。
Vol.8は建物を腐敗や風化から防ぐ古来からの知恵「雨仕舞」とnowadays bistro dub plate menuについて

【雨仕舞】

仕舞いとは建築用語においては細部の仕組みを指すことから、建築計画では雨仕舞を建築物内部に雨水が浸入せぬような仕組みを施す総称をいう。
雨水は降雨量や風向きにより、建築物の各処に吹きこみ、雨水処理材料の選択不良や経年劣化を初めとする雨仕舞が十分に考慮されていない場合には建築物内部に雨水が入りこみ、漏水を招く要因の一つとなる。外壁に取り付ける窓や扉等の開口部においては雨水を浸入させない高い密閉性を持つ仕組みが求められる一方で雨水が浸入した際には速やかに雨水を外部に流れ出す仕組みを併せ持つものが多い。
雨水は、毛細管現象の様態によって浸入するほか、降雨量に比して風圧が強い場合、風圧により隙間へと浸入する。風圧が弱い場合は隙間に入った雨水は自由落下により外部に流れ落ちるが、風圧が強くなるにしたがい隙間に入った雨水は流れ落ちる前に奥に押し込まれていくことがある。
高層建築物の上階のように風圧の強くなる部位ではこのような現象が日常的に起こる。このため、超高層建築物で採用されることの多いカーテンウォールに代表される外壁部材では接合部の雨仕舞のため、雨水の浸入を防ぐ(密閉性)よりも、浸入した雨水をすばやく外部に排出させることを優先する、ドライジョイントと呼ぶ仕組みが考案された。
木造建築物の雨仕舞については、口頭伝承が中心の大工の技術が主流で学術的な研究はほとんどされてこなかった。その分野において先駆者的存在が東京大学名誉教授の松下清夫氏(1910-2003)。松下氏が遺した「雨仕舞法の理論」が雨仕舞研究のバイブルと言われる。同氏は建築のディテールと性能の関係の理論的解明に取り組んだ先駆者でもある。雨仕舞は戸建て専門の技術や材料をつかった水対策ととらえられることが多い。しかし実はそうではない。同士曰く「雨仕舞とは、形と納まりで水対策をするということ」。つまり木造であれ、RCであれ基本的な考え方は共通していて、水理学と建築学、流体力学などの総合的な知見が必要な技術なのである。
takumi apartmentには屋根がたくさんある。そういってしまえばそれまでだが、その屋根が繋がり、合わさり、結果的にはとても複雑なことになっている。幸いなことにそれらの継ぎ目には、雨仕舞として雨水の道が備え付けられている。大小9棟ある屋根を繋ぐ雨仕舞の造作を見る度、大工の技術の偉大さに感心させられてしまうのだ。そういえば、リノベーションをしている時、職人さんとした会話の中に「雨仕舞」という言葉があって、水の流れるルートを想像しながら話す職人さんのクリエイティブな様相がかっこいいと思ったことを思い出す。それからというもの樋を始めとした雨仕舞を見る度にそこを流れる水を想像してしまう癖がついている。流れる水の気持ちになって、気持ちよく流れるイメージをするという感じだろうか。古い屋根からの雨漏れには水を差されるが、しとしとと春雨が降る度、雨仕舞を見上げて想像が膨らむのもいいものだ。

【海老のカダイフ巻き&チップス】
なんと私としたことが、この鉄板メニューを紹介していないことに今更ながら気がついた。「海老のカダイフ巻き&チップス」これは絶品である。dub plate 創業以来人気が堪えないメニューの一つ。大きな海老にカダイフという特殊なお麩を巻いて揚げてある。
カダイフ麺(kadaif、トルコ語で「薄い」の意)とは麺の一種で小麦粉と水が主な材料、ふるいを通して熱い金属調理用トレイに注いで作る。中東や地中海地域ではデザートなどに使用される他、そのまま食べたり、カダイフの間にクリームチーズを挟んだり、上にカイマック(Kaymak)と呼ばれる羊の乳を煮詰めて作るクリームをかけて食べたりと人気のある食材である。これがフランスやイタリアに伝わったことで、揚げ春巻きのように食材をくるんで揚げたり、アミューズやアントレ(アンティパスト)、デセール(ドルチェ)に使われるようになった。現在ではフランス製やイタリア製のカダイフも作られている。
dub plateでは揚げることでカダイフのサクサクとした触感とプリプリの海老、自家製海老味噌ソースの濃厚な味と相まってビールのお供に最高。口内炎の人はちょっと痛いかもしれません。添えられたチップスも揚げたてホクホクで美味。一皿でも充分満足できちゃうだろう。まだ食べたことのない方には是非食していただきたい。

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